【新唐人2014年3月8日ニュース】中国人に重くのしかかる3つの大山の1つが「住宅難」です。近年、当局が様々な不動産価格抑制政策を打ち出しても、却って価格高騰に拍車が掛かり、民間の非難が増すばかりです。今年初め、不動産税徴収問題が再び争議の焦点になりました。不動産大手によると、現在、中国の不動産に付帯する税金は数え切れず、少なくとも7割は政府に入るそうです。これがまさに、不動産価格が下がらない真の原因です。報道をご覧下さい。
上海不動産業協会の新会長、「上実城開」会長の倪建達(げい けんたつ)氏は、先日メディアに対し、現行の租税政策を批判しました。倪氏は、不動産会社の短期間のある時点での利益が非常に高くても、政府に支払う税金はもっと多いとコメントしています。
では、政府に支払う税金は実際どれくらいなのでしょうか?3つのバージョンがあります。1つ目は最も保守的な政府系バージョン。江蘇省塩城市物価局が2006年に発表した住宅価格構成リストによると、1平方メートル当たり2289元で計算した場合、政府の収入は847元で37%の割合になります。
2つ目は半政府系データで、2009年の労働組合連盟の調査報告では、不動産価格の49.34%を政府が手にしていると指摘されています。3つ目は開発業者です。不動産業界の重鎮と言われる「華運地産」の任志強会長は、政府は不動産価格から少なくとも70%を取っていると考えています。この言い分は大部分の不動産業者から賛同を得ています。
専門家が取りまとめたデータによると、不動産物件の開発から販売終了までの全過程を分解してみると、各レベルの政府機関に収める税金は7種類37項目に及びます。これらの支出には、開発前期の土地払下げ金、立ち退き管理費、前期の政策性料金および後期の営業税、印紙税、都市維持建設税、企業の所得税などが含まれています。これらの税金の大部分は開発業者から住宅購入者に転嫁され、直接あるいは間接的に住宅価格に反映されるため、最終的に住宅価格が高くなるという仕組みです。
中国金融アナリスト 任中道さん
「なぜ不動産税を徴収しても、不動産価格が下がらないのか?末端で価格が上昇し続けるからです。原価から計算して、最終的に消費者の手に届くまで、積み重ねられ、この価格になるのです。不動産業者は自らの利益増加のため、これらを加算します。不動産税がなくても、当局は税収増加のため、各種名目の費用を作りだすのです」
ある評論家は、もし政府が本当に不動産価格を下げる気があるのなら、消費者から不動産税を徴収するのではなく、不動産価格に含まれる税金を下げるべきだと指摘しています。
エコノミストの郎咸平(ろうかんへい)氏は、「不動産市場の各種税金をなくすだけで、中国の不動産価格は70%下がる」と指摘した事があります。
ネットユーザーらも同感を示します。7割以上の利益が手に入るのに政府が価格を下げるはずがない。高値の背後に誰がいるかは一目瞭然である」。だから、近年中国の住宅価格は高騰を続け、調整すればするほど上昇するのです。地方政府が手段を選ばず強制立ち退きを迫り、民衆の土地を無理やり占拠する原因も、ここにあるのです。
ネットユーザー
「7割以上の利益が手に入るのに、政府が価格を下げるはずがない。高値の背後に誰がいるかは一目瞭然である」
中国金融アナリスト 任中道さん
「1994年から中共は分税制を執行し、国税と地方税を分けました。当然 土地関連の収入は地方政府に入ります。このため地方政府は徐々にこれを最大の財政収入源にしました。だから中央政府が10年間で、43もの規制政策を打ち出しても、不動産価格は却って10倍になりました。背後の黒幕が誰なのか?一目瞭然です。各地方政府が背後にいて、目的は税収を増やすためなのです」
民間や各界から反対の声が上がり続けていても、依然として当局の不動産税徴収の決定を覆すことができません。
昨年末から、巷では「2014年1月1日から不動産税の徴収が始まる」とのうわさが広まり、民間からは徴収に反対する声が上がりました。その後、政府サイドからデマであると発表されたものの、民衆に受け入れられず、決して根も葉もないうわさではないと考えられています。
「中国経済網」は、公開された情報から判断すると、政府はすでに不動産税徴収のための輿論の基調を打ち立てていると指摘しています。さらに、中国不動産協会・朱中一副会長の話を引用し、「不動産税に関する立法上の問題は存在しない」と伝えています。
当局の不動産税徴収は時間の問題で、中国大陸の不動産価格が税金の徴収によって下がることはないと考えられます。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2014/02/26/atext1068788.html(中国語)
(翻訳/赤平 ナレーター/村上 映像編集/工)